マルタ永住権(MPRP)完全ガイド|申請要件・費用・メリットを徹底解説
マルタ共和国が提供するMalta Permanent Residency Programme(MPRP)は、2021年に施行された制度で、不動産への投資と政府への拠出金を通じてマルタの永住権を取得できるプログラムです。EU加盟国でありながら生活コストが比較的低く、英語が公用語であるマルタは、ヨーロッパへの移住先として日本人にも注目されています。本記事では、MPRPの概要から費用、申請の流れまでを詳しく解説します。
MPRPとは
MPRP(Malta Permanent Residency Programme)は、Legal Notice 121 of 2021に基づいて設立されたマルタの永住権プログラムです。旧制度のMRVP(Malta Residence and Visa Programme)を刷新する形で導入され、よりシンプルで透明性の高い申請プロセスが整備されました。なお制度はその後も改定が続いており、直近では2025年7月(LN 146/2025)に費用体系が大幅に変更されています。
取得できるのはマルタ共和国の永住権であり、EU市民権とは異なります。ただし、シェンゲン協定加盟国へのビザなし渡航が可能になるなど、ヨーロッパでの行動の自由が大幅に広がります。
マルタに最低滞在日数の義務はなく、日本に居住したまま永住権を保有することも可能です。また、一度取得した永住権は更新不要で、継続的に有効です(不動産保有条件を満たす限り)。
申請できる家族の範囲
主申請者(18歳以上)に加え、以下の家族を同一申請に含めることができます。
- ▸配偶者またはパートナー
- ▸18歳未満の子女
- ▸主申請者または配偶者に扶養されている未婚の成人子女(経済的依存が条件、年齢上限の公式規定なし)
- ▸主申請者または配偶者の両親・祖父母(扶養関係にある場合)
申請要件
MPRPの申請には、以下の要件をすべて満たす必要があります。
- ▸マルタ国籍またはEU・EEA・スイス国籍以外であること
- ▸マルタ国内で適格不動産を購入または賃貸すること(5年間の保有義務)
- ▸政府拠出金および管理費を支払うこと
- ▸認定慈善団体へ€2,000以上を寄付すること
- ▸全申請者が犯罪歴を有しないこと
- ▸全申請者が健康保険に加入していること(マルタ国内での医療費をカバーするもの)
- ▸デューデリジェンス審査に合格すること
不動産要件
2025年1月1日以降、エリア区分は廃止され、マルタ本島・ゴゾ島を問わず全域で統一基準が適用されています。購入と賃貸のどちらかを選択できます。
(約6,200万円)
(約231万円/年)
| 選択肢 | 最低条件 |
|---|---|
| 不動産購入 | €375,000以上 (約6,200万円) |
| 不動産賃貸 | €14,000/年以上 (約231万円/年) |
費用の内訳
2025年7月(LN 146/2025)の改定により、購入・賃貸の区別なく政府拠出金は一律€37,000に統一されました。これに加えて管理費€60,000が別途必要です。
(約610万円)
(約990万円)
(約124万円/名)
(約33万円)
| 費用項目 | 金額 |
|---|---|
| 政府拠出金(主申請者) | €37,000 (約610万円) |
| 管理費 | €60,000 (約990万円) |
| 追加申請者(配偶者・未成年子女・障害を持つ成人子女) | 追加管理費なし |
| 追加申請者(両親・祖父母・その他成人被扶養者) | €7,500/名 (約124万円/名) |
| 慈善寄付(最低額) | €2,000 (約33万円) |
| 認定代理人への報酬 | 別途見積り |
MPRPのメリット
MPRPを取得することで得られる主なメリットを整理します。
- ▸シェンゲン協定加盟29カ国へのビザなし渡航(180日ごとに最大90日間)
- ▸マルタへの最低滞在日数の義務なし(日本居住を維持したまま保有可能)
- ▸更新不要の永住権(不動産保有継続が条件)
- ▸家族全員を同一申請でカバー(配偶者・未成年は追加管理費なし)
- ▸政治・経済的に安定したEU加盟国のステータス
- ▸マルタの医療・教育サービスへのアクセス
申請の流れ
申請から永住権取得までの一般的な流れは以下の通りです。
- ▸①相談・計画:認定代理人に相談し、家族構成・予算に合わせたプランを策定
- ▸②書類準備:パスポート・戸籍・無犯罪証明書・財務証明書などを収集・公証
- ▸③不動産の選定:条件を満たすマルタの物件を選定(購入または賃貸契約)
- ▸④申請書類の提出:認定代理人を通じてIdentity Maltaへ申請
- ▸⑤デューデリジェンス審査:約4〜6ヶ月(申請者全員の身元調査)
- ▸⑥承認・拠出金の支払い:承認後に政府拠出金・管理費・寄付を支払い
- ▸⑦永住権証明書の受領:マルタの永住権カードが発行される
よくある疑問
Q. マルタに住み続けなければなりませんか? A. いいえ。マルタへの最低滞在義務はありません。日本に居住したままMPRPを保有することが可能です。
Q. 不動産はどのエリアがおすすめですか? A. バレッタ近郊・スリーシティーズ・スリーマなどの人気エリアは賃貸需要も高く、永住権取得後の資産運用にも適しています。2025年1月以降は全エリア一律€375,000(約6,200万円)以上が購入要件です。
Q. 申請が却下されることはありますか? A. デューデリジェンス審査で問題が発見された場合、申請が却下される場合があります。事前に認定代理人に詳しく相談することをおすすめします。
